【一ノ瀬メイ選手】「ヴィーガンで体力回復が早く」パラリンピック選手の実体験
ブイクックプラスにて、『ベジアスリート連載』がスタートします🎉
菜食アスリートの方々に、菜食を選ぶ理由や、菜食によるリアルな変化をインタビューすることで、ヴィーガンの栄養面の不安を解消していければと思います!
さまざまなスポーツの分野で、プロとして活躍されているアスリートの皆さんにご登場いただくので、楽しみにしていて下さい👏
初回は、水泳のパラリンピック選手として活躍されている一ノ瀬メイさんです!
目次
パラリンピック水泳選手の一ノ瀬メイさん
柏井
初めに、簡単な自己紹介をお願いします。
一ノ瀬
一ノ瀬メイです。
現在は、パラリンピック水泳の選手として活動しています。
13歳の時に初めて、当時史上最年少の日本代表選手としてアジア大会に出場させていただきました。
その大会にて銀メダルを獲得し、日本新記録を出しました。
自分が出場した中で1番大きい試合は、2016年のリオデジャネイロで開催されたパラリンピックです。
2年前に近畿大学を卒業してからは、近畿大学の職員として競技を続けています。
今は、活動拠点のオーストラリアにて、東京パラリンピックに向けて練習を続けています。
柏井
今日のインタビューも、朝練の後に参加下さったということでありがとうございます!
パラリンピックが延期。練習が出来ない状況で変えたのが「食」
柏井
現在はどういった食生活をされていますか?
一ノ瀬
今は、動物性食材は全く摂らないヴィーガンの食生活を選択しています。
柏井
ヴィーガンを始めたきっかけは何だったのですか?
一ノ瀬
本格的にヴィーガンに移行し始めたのは、2020年の春です。
それより前の2019年に、Netflixで『ゲームチェンジャー』というドキュメンタリーを見て、すでにお肉があまり体に良くないことは知っていました。
『ゲームチェンジャー』を見た後、2ヶ月間のチャレンジでほぼ植物性のみの食生活してみました。
しかし、チームの栄養士さんに、「パフォーマンスのためにお肉食べた方がいいよ。」と言われ、また元の動物性の食べ物も含む食生活に戻っていました。
柏井
一度、チャレンジされたことがあったんですね。
再び去年の春にヴィーガンに戻したのには、何があったのですか?
一ノ瀬
新型コロナウイルスにより、オリンピック・パラリンピックが延期になり、練習拠点も閉鎖しました。
今まで通りに練習が出来ない中での、水泳のスキルアップといった身体面の向上は難しいと考えました。
そこで、家にいて出来ることは何か考え、「とりあえず、いろんなことを勉強しよう!」と思ったことがきっかけです。
柏井
具体的にどんなことを勉強されてたのですか?
一ノ瀬
Netflixでドキュメンタリーを観ていました。
その中で、「COWSPIRACY」と「WHAT THE HEALTH」という作品を観たのですが、この時に再びヴィーガンを実践しようと決意しました。
お肉などの動物性の食べ物による体への影響や、畜産による環境問題について詳しく知り、まずお肉や魚を食べるのを辞めました。
牛乳や卵に関しては、外食では避けられない時もありましたが、自分で買うことはなかったです。
それから1.2ヶ月の間に完全にヴィーガンの食生活に移行しました。
自粛中に出会ったアーユルヴェーダの考え方
一ノ瀬
他にも、東洋医学の「アーユルヴェーダ」についてオンライン講座を受けたりもしていました。
柏井
「アーユルヴェーダ」ってどういうものなのですか?
一ノ瀬
アーユルヴェーダは、インドで発祥し5000年以上もの歴史をもつ伝統的な医学です。
アーユルヴェーダでは全ての物事をエネルギーで捉え、私たちの体も「ヴァータ(風)・ピッタ(火)・カパ(水)」の3つのエネルギーで構成されていると考えられています。
食事に関しては、食べたもののエネルギーがそのまま自分のエネルギーになるとされています。
そのエネルギーにも純粋性、鈍性、激性といった種類があり、純粋性なエネルギーをとるほど幸福度が高まるそうです。
純粋性なものとは例えば、自然な方法で愛情込めて作られた野菜などが当てはまります。
逆にお肉はその対局に位置するようで、アーユルヴェーダ的にもお肉は避けられています。
柏井
とても面白い考え方ですね。私も興味を持ちました!
アーユルヴェーダを知ったこともヴィーガンを取り入れるきっかけになったんですね。
アスリートとしての実体験から分かる菜食の効果
柏井
菜食を始めてから、何か変化は感じましたか?
一ノ瀬
身体面に関してだと、体重管理が大きく変わりました。
私は身長が167センチあり、自分的にベストな58キロに体重を維持するようにしていました。
しかし、そもそも58キロに維持するのが大変でした。
気をつけて食事をしないとすぐに体重が増えるので、満足いくまで食べることが出来ず、ストレスを感じることが多かったです。
それが、菜食に変えてから体重がすっと落ち、お腹いっぱい食べても体重が安定するようになったんです。
心も体も満足して食事をできるようになったのが、自分にとっては大きな変化でしたね。
柏井
私も太りやすい体質に悩んでいましたが、菜食を取り入れてから体重が大きく変動することがなくなって、食事を楽しめるようになりました!
では、パフォーマンス面での変化などはありましたか?
一ノ瀬
疲労回復が前より早くなったと思います。
筋肉痛の治りが早かったり、寝起きが良くなったりしました。
水泳は朝が早い競技で、私はいつも朝5時に起きています。
これまでは二度寝したいと思うこともありましたが、最近はスムーズに起きれるようになりました。
また、食事の後も眠くなりにくくなったと思います。
植物性の食材は消化が良いため、消化に使うエネルギーが減ったのかもしれません。
また私は、17日間連続で練習をして4日間の休みをとる、という練習スタイルをとっているのですが、これまでは17日間の最後の方になると、文字通り疲労困憊という感じになっていたのですが、それも軽くなりましたね。
柏井
消化の代わりに、体の回復にエネルギーがしっかり回っているんでしょうかね。
一ノ瀬
他には、私の右腕は左に比べて短いので、左肩の活動量が多く炎症を起こしがちです。
しかし、左肩を壊すことも減りましたね。
ウェイトトレーニングでも、以前よりも重い物を持ち上げれるようになったので、お肉を食べないからといって筋肉がつかない訳ではない、というのを実体験をもって言えると思います。
柏井
菜食は栄養不足、特にタンパク質不足が懸念されたりしますが、ご自身の経験からそうではない、ということが言えるんですね!
栄養は同じ。変わるのは「どの食材から摂るか」
柏井
アスリートだと、体作りのために栄養管理はより一層大事かと思います。
菜食に変えてから、どのように食事管理されていますか?
一ノ瀬
大きく変えたところはないです。
もともと野菜や果物が好きだったので、何も考えず自炊をするとタンパク質が足りないことが多かったです。
なので、菜食に移行する以前から、自分の体重に合わせたタンパク質の目標数値を定め、それだけを計算して管理していました。
変化したことといえば、タンパク質を「どの食材から摂るか」ということです。
目標とするグラムは変えず、前はお肉から摂取していた分を、豆類や穀物から摂るようにしました。
柏井
食事の質が変わったということですね。
一ノ瀬
まさにそうですね。
ごはんも白米ではなく、玄米や雑穀米に変えるとタンパク質が上乗せできます。
前はお肉で摂る分だけをタンパク質として計算していましたが、いろいろな食材から栄養を摂るようになりましたね。
答えを知っているのは自分の体
柏井
菜食による変化って、具体的に人に伝えることが難しいこともあると思います。
今回のインタビューでは、メイさんご自身の実体験としてのお話を聞けて、とても分かりやすかったです!
最後になりますが、読者の方にひとことメッセージいただきたいと思います!
一ノ瀬
2つお伝え出来ればと思います。
1つ目は、宣伝のようになりますが、菜食アスリートを集めた「ベジンジャーズ」というチームでインスタグラムのアカウントを始動させました。
皆さんのお役に立てるような情報を発信していこうと思っているので、応援していただけると嬉しいです!
2つ目に、「自分の体に必要なものは、自身の体の状態をじっくりと観察して選んで下さい。」ということです。
今はネット上にいろんな情報が溢れています。
しかしそれらの情報で得た知識はツールの1つだと思っています。
何を食べた時に調子がいいのかは、人それぞれ違います。
いくら栄養価が高いスーパーフードをたくさん食べてもしっかり消化できていなければ意味がありません。
食事って、何かを口に入れて終わりではなく、食べる・消化する・排泄するまでトータルのことだと思っています。
食べて、体の反応をしっかり観察して、自分の体が何を求めているかに気を遣ってあげてほしいです。
一ノ瀬メイさんのお気に入りブイクックレシピ
材料2つのヴィーガンミートボール
一ノ瀬さんからのコメント
これさえ作り置きしておけば、洋食から和食までいろんなものが簡単に作れて、しかも満足感のある料理ができるのでとても気に入っています!
私はキヌアも混ぜました😋
いろいろアレンジもできて楽しいです✨