【世界に広げようヴィーガンの輪】サステナブルライフクリエイター /モデル Miyu こと前本美結さんに聞く “ありのまま” のヴィーガンライフ
「世界に広げようヴィーガンの輪」をテーマに、ヴィーガン・プロフェッショナルの方々から、ヴィーガンライフに役立つヒントやお知恵をいただくリレーインタビュー。第二回目は、tokyo vegan girl Miyuことサステナブルライフクリエーターの前本美結さんです。Z世代のヴィーガンリーダーとして伝えたいこと、読者から質問も多いというヴィーガンコスメのお話をうかがいました!
前本美結 (まえもと みゆ)・profile
「出来る人が、できることを、できるだけ」がモットー。地球と人と動物に少しでも優しく生きる、自身のヴィーガン・サステナブル・エシカルなライフスタイルのSNS・YouTube発信や、モデル、イベントプロデュース、カフェ運営など多方面で活動中。環境や社会問題にも積極的に関わりを持ち、東京都環境局アンバサダーにも就任。
目次
ヴィーガンの友人や先生から影響を受けた高校時代
そいみん:ヴィーガン歴は、どのくらいになりますか。
Miyu:ヴィーガンに出会ったのが2005年で、2016年頃までは、魚は食べていたので・・・・・・完全にヴィーガンになってからは6年目ですね。
そいみん:ヴィーガンに出会った頃のお話を聞かせてください。
Miyu:私、高校はインドネシアのインターナショナルスクールに通っていたんですが、その時の先生や友人がヴィーガンだったんです。彼らはとても人柄が良かった。だからシンプルに、彼らがやってるヴィーガンって、何だろう?と興味を持ったのがヴィーガンとの出会いです。
そいみん:身近で信頼できる人が興味を持っていることって、自然と気になりますよね。インドネシアはヴィーガンが多いのでしょうか。
Miyu:学校はインドネシアにありながら、オーストラリア式の教育だったので、ヴィーガンが多かったり、みんなが環境問題や社会課題に意識的でしたね。生徒みんなで、それぞれ食べ物を持ち寄ってパーティするときは、ヴィーガン海苔巻きを持ってくるコリアンの子がいたり、私もお菓子を作ってbake saleでの売上で寄付活動をしたりするのが日常でした。
自分でヴィーガン情報を集めたり、友達や先生からヴィーガンについて教わったり、普段からおいしいヴィーガンフードを口にする機会があって、私もヴィーガンになれる!!と思ったんです。
もともと「お肉」が大好き
そいみん:普通食→ぺスカタリアン (魚は食べるヴィーガン) →完全ビーガンに移行されたという経緯ですが、肉はすぐにやめることができたのですか。
Miyu:実は私、もともとお肉が大好物なんですよ。
そいみん:そうなんですか!大好きなものをあきらめるのは、なかなか大変ですよね。
Miyu:ヴィーガンについて納得するまでに、時間はかかりました。でも、周囲は、私にヴィーガンになることを強制したり、勧めたりは全くしませんでしたから、最終的には自分の意志で肉や卵、乳製品も一気にやめました。
そいみん:すごい決心ですね。今、日本でもお肉の代わりになる大豆ミートのようなヴィーガンフードのバリエーションが増えてきましたよね。お肉好きからすると、代替肉には満足できてますか。
Miyu:鶏肉のような自然な食感の「ライクチキン」やイケアの「ミートボール」をよく食べています。おいしいし、クオリティーもひと昔前よりアップしていますね。加工品の添加物は気になるところですが、私の場合は、正直、食べ応え重視!肉好きな友人とたまにヴィーガンレストランに行きますが、「え、これヴィーガンなの?お肉じゃないの?」ってみんなビックリしてますよ。
そいみん:Miyuさんの、正直なコメントがイイですね!YouTubeでも、ご自身の辛い体験や私生活をかなりせきららに語っていらっしゃいますが、周囲の反響は?
Miyu:YouTubeを始めた頃は、どうやっていいかわからなくて。モデルの時のようにちょっとクールな感じで、声もハイトーン気味だったんです。でも、友人から「もっとしゃべって!!いつもの自分を出しなよ!」と言われたんです。まあ、考えてみれば、普段の私は、自分を飾るようなキャラクターではないので、ありのままで配信するようになりました。
そいみん:そのほうが、嘘がなくて、信じてついていきたくなる気がします!インスタ1.7万人のフォロワーさんも、みんなそう感じていらっしゃるのでは!?
Miyu:親近感を持っていただけるのなら、ウレシイです!
ヴィーガンとしてのスタンスについて
そいみん:Miyuさんは、どんな立ち位置やスタンスでヴィーガン活動をされていますか。たとえば、去年は渋谷西武デパートでも、サステナブルフードのポップアップのプロデュースをされてましたよね!
Miyu:「ヴィーガン」「サステナブル」「エシカル」の3本柱で勉強しながら活動しています。みなさんにも、今の社会で、食の裏側で、何が起こっているのかを知ってもらいたいと思っています。たとえば、私の周囲では、現代の畜産が環境に及ぼす影響や課題を知り、肉食の考え方が変わることで肉を食べなくなった人達がいます。「COWSPIRACY」(カウスピラシー)というドキュメンタリーがわかりやすくておすすめです。
そいみん:世の中には、自分で知ろうとしないと、見えないことが沢山ありますよね。
Miyu:決してヴィーガンや菜食を押しつける気はないんです。日本で完璧にヴィーガンを実践しようとしても、支障があるじゃないですか。海外のように、ステーキハウスにヴィーガンメニューがあるような環境ではありませんから。だから、現実の問題を正しく知ったうえで、何を大切にして生きていくのかを考えてほしいんです。もし、ヴィーガンに興味を持ったならば、どこで線引きするか、どのくらい実践するのかは、各自が決めればいいと考えています。
ヴィーガンコスメについて聞いてみた
そいみん:今日、Miyuさんに一番お聞きしたかったのは、ヴィーガンコスメについて。YouTubeでも、詳しく発信されていますが、そもそも、ヴィーガンコスメってどんなものなのでしょうか。日本で購入できるチャンスは増えていますか。
Miyu:ヴィーガンコスメの定義としては、原料や製造過程で、動物性由来のものが使われていないこと、動物実験をしていないモノ。国産はあまり見かけないので、海外のものが中心ですね。残念ながら食と同じく、日本のコスメ業界も、世界に比べて遅れをとっています。
そいみん:Miyuさんのお気に入りのコスメや、ヴィーガンコスメを購入するときに気をつけているポイントを教えてください。
Miyu:私は、メイクが大好きです!重視しているのは、機能性。お気に入りは、フランスのヴィーガン認証を取得している、AMUSEのリップティント (ヴィーガンデューティント) や、UZUのアイライナーを激しくリピートしていますね。購入するときの注意は、ネットで商品の情報やブランドサイトをしっかりチェックすること、ヴィーガンマークやウサギのマーク (Cruelty Free International「リーピングバニー」や、PETAのクルエルティフリー認証マークである「Beauty Without Bunnies」) のついたものを選べば間違いないですよ。
そいみん:認証マークのないヴィーガンコスメもありますよね?知識がないと、選ぶのが難しそう。
Miyu:確かに、私も昔失敗したことがありました。パッケージをみると植物由来の原料しか使われていないのですが、調べると「ミツロウ」(※)が使われていたことがありました。
一般のコスメにも、成分を固めるためによく使われているものです。もう、今はそんな失敗はありませんが、ヴィーガンコスメを選びたいなら、注意が必要ですね。
※蜜蝋 (ミツロウ) とは、ミツバチが巣を作る時に分泌するロウのこと。 別名:蜂蝋(はちろう)
Z世代が集うカフェ運営中
そいみん:今日、お邪魔しているコミュニティカフェ「um (アム)」は、椅子やテーブルだけでなく、ベットやハンモック、ミニアスレチックのようなモノまで置かれていますね。
Miyu:私のようなZ世代や、もっと若い人たちが気軽に集える場所を作りたくて運営しています。ヴィーガンメニューを楽しみながら、なかなか答えの出ない社会の問題を解決するためにはどうすればいいのか、みんなで話し合える貴重な場所。ようやく一年経ちました。よじ登ったり、横になれるスペースがあったりするのは、意味があるんですよ。話し合いをするときに、いろいろな「視点」が大事になってきますよね。ただテーブルについて話し合いしても、いいアイデアや問題解決の糸口はなかなか出にくいもの。でもこうして、いろいろなポイント、場所から、リラックスして自由に発言していると、思わぬヒントがとび出てきたりするんです。
そいみん:それ、すっごく面白いですね!
Miyu:この空間を丸ごとレンタルして、いろいろなイベントに使っていただくこともできるので、興味があればぜひ!
そいみん:Miyuさんは、こちらのお店にいらっしゃることもあるのですか?
Miyu:週1くらいのペースで顔を出していますので、遊びに来てください。
そいみん:では、最後にMiyuさんからお友達のご紹介をお願いします!
Miyu:はい、菜食コンサルタントで栄養士の山崎由華さんにバトンをお渡します!
まとめ〈インタビューを終えての感想〉
クールビューティーなモデルの顔とは違う、フレンドリーで飾らないMiyuさん。等身大で自然体の彼女がおすすめしてくれるヴィーガン食やヴィーガンコスメなら、素直に試してみたくなるから不思議。環境や動物の問題にも真っすぐに向き合う彼女、まちがいなくZ世代をけん引する一人です。
Miyu Maemoto
サステナブルライフクリエイター
※六本木にあるZ世代が運営する「um Cafe and Bar」