生理とホルモンバランスに関わる栄養素やヴィーガンレシピをご紹介【管理栄養士監修】
インスタグラムで募集した栄養に関するお悩みに、ブイクックの管理栄養士が答えます。
栄養監修
管理栄養士 河原あい フリーランス ライター&コンサル |
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ヴィーガン食でも生理が順調にくるようにするためにはどうしたらいいですか?生理不順にならないためにおすすめの栄養素はありますか?
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普段から動物性食材を食べていた人が、ヴィーガン食を取り入れ始めると稀に生理不順になる場合もあります。
これは、特定の栄養素が不足してしまうだけでなく体の素直な反応。
ですが、女性にとっては毎月生理が来るのが理想です。
そこで今回は、生理不順にならないためのおすすめの栄養素について解説します。
生理と栄養素の関係
女性の体に毎月訪れる生理は、2種類のホルモンが関わっています。
・エストロゲン(卵胞ホルモン)
・プロゲステロン(黄体ホルモン)
これら二つのホルモンの分泌バランスの変化によって、生理が起こるのですが、このバランスが乱れることによって生理不順を招いてしまいます。
生理不順にならないためにも、ホルモンバランスを乱さない食生活が大切です。ホルモンの構成成分となるものや分泌に関わる栄養素とおすすめのレシピを紹介します。
脂質
一般的にホルモンには2種類あり、アミノ酸由来のペプチドホルモンと、脂質由来のステロイドホルモンに大別されます。
このうち、エストロゲンやプロゲステロンなどの性ホルモンはステロイドホルモンに分類され、脂質が重要な栄養素となります。
食事由来の脂質が不足してしまうと、ホルモンを十分に分泌できるほどの材料がなくなってしまい、ホルモンバランスが乱れてしまいます。
植物性の脂質は一般的に良質な油。毎日の食事で総エネルギーの20〜25%、大人であれば約50g程度は摂取するようにしましょう。
■おすすめのブイクックレシピ
Keekee kitchenさんの「マーマイト(味噌)アボカドトースト」
材料(1人分)
トースト 必要な分だけ
アボカド 好きなだけ
にんにく 1かけ
マーマイトもしくは味噌 少量
きゅうり 数枚
エクストラバージンオリーブオイル 適宜
塩胡椒 適宜
レモン汁(オプショナル)適宜
「マーマイト(味噌)アボカドトースト」の詳しいレシピはこちら!
鉄
生理では女性の体は大量の血液を失います。
その際、体に十分な鉄分がない場合、鉄が構成成分となっている赤血球を作り出せないために貧血に陥り、体調不良を招く場合もあります。
植物性食材に含まれる鉄は非ヘム鉄と呼ばれ、ヘム鉄と比べて吸収されにくいですが、ビタミンCと一緒に食べることで吸収率をアップさせます。
■おすすめのブイクックレシピ
材料(4人分)
赤レンズ豆 2.5カップ
たまねぎ 4玉
にんじん 1本
生姜 大1かけら
マッシュルーム 5つ
豆乳 1カップ
オレガノ 0.5スプーン
シナモン 0.3スプーン
塩、胡椒 0.5スプーン
炭水化物
脳の唯一のエネルギー源である炭水化物(糖質)を抜いてしまうと、脳から全身へ向けた指令が行き届かなくなります。
女性ホルモンの分泌も例外ではなく、脳からの指令によってバランスを保たれています。
また、炭水化物を極端に抜いたダイエットを行うと、脳が飢餓状態と勘違いして生命活動のうち生理を止めてしまう可能性もあります。
最低でも1日の総エネルギーのうち55〜60%程度は炭水化物から摂るように心がけてみてください。
■おすすめのブイクックレシピ
材料(2人分)
豆腐 1丁
ごはん(残り飯) 2杯分
ごま油 適量
ターメリック 少々
☆粉末昆布だし 適量
☆塩 適量
☆コショウ 適量
ビタミンB6
ビタミンB6はアミノ酸の代謝に必要なビタミンですが、エストロゲンをはじめとしたホルモンの合成に必要な栄養素です。
また、鉄と同様に赤血球の合成にもたずさわっており、体全体の血液量を上げるためにも毎日継続的に摂取することをおすすめします。
■おすすめのブイクックレシピ
材料(パウンド型1本)
オートミール粉 50g
米粉 20g
アーモンドプードル 20g
ベーキングパウダー 小さじ1.5
シナモン 適量
豆乳 70g
バナナ(熟れすぎてないもの) 1本(約100g)
メープルシロップ 大さじ1
ナッツバター 大さじ1
レモン汁 小さじ1
好きなトッピング 適量
バナナ 1本
痩せ型の人は体重を増やすことを目指す
ヴィーガンをきっかけに体重が減ってしまった方や、もともと痩せ型で、生理不順に悩まれている場合は、体重を増やす必要がある場合もあります。
女性の体は男性と違い、体脂肪率が22%以上あることが望ましいと言われています。これは女性の体にとって体脂肪が卵巣機能に関連しているためです。
例えば、体脂肪率が20%を切り、15%以下になると卵巣機能が低下して無排卵状態になることも。
女性らしいふっくらとした体を目指し、エネルギー摂取量を増やすことで正常な女性ホルモンの分泌を目指しましょう。
⇒ヴィーガンでもしっかりエネルギーを確保する方法は?【管理栄養士監修】
ストレスや生活習慣の見直し
ホルモン分泌の指令は脳より行われており、精神状態が大きく関係します。
ストレス環境下や睡眠不足が続くと、生理周期が乱れることもしばしば起こります。
日々の生活の中でストレスの解消を目指し、規則正しい生活を心がけることも重要な生理不順対策になります。
まとめ
今回は、生理と栄養素について解説しました。
女性の体に毎月生理が訪れるために、さまざまな因子が関係しています。
今回紹介した栄養素(脂質、鉄、炭水化物、ビタミンB6)だけでなく、普段からバランスの良い食事を心がけること、ストレス解消や睡眠といった生活習慣を正すことで、規則正しい生理周期につなげましょう。
また、ヴィーガンの場合大豆の摂りすぎによるイソフラボンの影響も心配されることが多いのですが、こちらの記事で解説しているのでぜひ読んでみてください。
⇒大豆製品の摂りすぎによる影響は?代替レシピもご紹介【管理栄養士監修】
また、食事だけでは生理周期が安定しない場合もありますので、生理不順が続く場合は速やかに病院に行くようにしてください。
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