栄養素の吸収を促進する組み合わせとヴィーガンレシピを紹介!【管理栄養士監修】
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栄養監修
管理栄養士 河原あい フリーランス ライター&コンサル |
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ヴィーガンで栄養素不足にならないために、おすすめの栄養素同士の組み合わせはありますか?
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栄養素は体の中で単独で機能するのではなく、お互いに関連し合いながら吸収・利用されます。
中でも微量栄養素は、組み合わせ次第で栄養素の吸収促進/抑制の影響を強く受けることがあり、ヴィーガンやベジタリアンの方には注意する必要があります。
そこで今回は、知っておきたい、管理栄養士おすすめの栄養素の組み合わせをご紹介します。
知っておきたい栄養素の組み合わせ
脂溶性ビタミンと脂質
ビタミンは水溶性ビタミンと脂溶性ビタミンに分けられ、中でも脂溶性ビタミンは油に溶けて吸収される特徴をもつビタミンです。
脂溶性ビタミンであるビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンKは、油脂類である植物性のオイルや、脂質を豊富に含む食材と一緒に摂るようにしましょう。
■おすすめの組み合わせ
人参サラダ×アボカド
椎茸×オリーブオイル
トマトサラダ×ミックスナッツ
納豆×アマニ油
■おすすめのブイクックレシピ
材料(2~3人)
にんじん 1本
オーツ ご飯茶碗1杯分
水 大さじ6(目安)
オリーブオイル 大さじ2
だし醤油 お好みで
たんぱく質とビタミンB群
大きな分子であるたんぱく質は、体内で代謝されて小さな分子であるアミノ酸にまで分解され、利用されます。
この小さい分子であるアミノ酸がしっかりエネルギーとして利用されるために必要なのが、ビタミンB群です。
中でもビタミンB6は、たんぱく質からのエネルギー生産時に利用される補酵素として利用されます。
ビタミンB6は、バナナやニンニク、パプリカや玄米などに含まれます。
たんぱく質を多く摂取すればするほどビタミンB6が必要になるので、うまく取り入れるようにしましょう。
■おすすめのブイクックレシピ
材料(目安1人量)
蒸した市販大豆 大さじ2
下味の醤油 小さじ1
さつま芋のサイコロ切り 大さじ4
小麦粉 大さじ4くらい
水 適量
揚げ油 適量
お好みの塩 少々
たんぱく質と糖質
糖質を食べると血糖値が上昇し、その血糖値を下げるためにインスリンが分泌されます。
このインスリンは、血糖値を下げるだけではなく、体のパーツとなるたんぱく質の合成も促進する作用があります。
そのため、長期間の糖質不足は体のたんぱく質を分解し、筋肉を減らしてしまう可能性もあり、糖質をたんぱく質と一緒に摂ることが重要です。
■おすすめのブイクックレシピ
材料(1人分)
揚げ豆腐(厚揚げ) 約1/4パック
海苔 約2枚
お好みの野菜 適量
—蒲焼き風のたれ
醤油 大さじ1.5
酒 大さじ1.5
お好みの甘味料 〜大さじ1
ねぎ(トッピング用) 適量
ごま(トッピング用) 適量
鉄とビタミンC
鉄は大きく2種類に分けられます。
・ヘム鉄(動物性食材)
・非ヘム鉄(植物性食材)
ヴィーガンやベジタリアンの方は植物性食材由来の非ヘム鉄を摂りますが、吸収率はヘム鉄と比べて低いという特徴があります。
これは、非ヘム鉄からヘム鉄に変換された後に吸収されるステップが必要なためです。
そこで、ビタミンCを一緒に食べることで、胃での非ヘム鉄からヘム鉄への変換を助けることで、吸収を促しましょう。
⇒ヴィーガン食生活でも貧血を防ぐ方法とは?【管理栄養士監修】
■おすすめのブイクックレシピ
mamenakurashiさんの「レンズ豆とキヌアの地中海風サラダ」
材料(1〜2人前)
レンズ豆 1/2カップ
キヌア 1/2カップ
トマト 中1個
きゅうり 1/2本
セロリの葉 1/3〜1/2本分
オリーブ 4〜6個
オリーブオイル 大さじ2
レモン汁 1/2個分
塩胡椒 味を見ながら少々
⇒「レンズ豆とキヌアの地中海風サラダ」の詳しいレシピはこちら
カルシウムとビタミンD
骨や歯の材料となるカルシウムは、動物性食材に豊富に含まれています。
そのため、植物性食材の中でもカルシウムを多く含むものを取り入れつつ、吸収を促進する栄養素としてビタミンDを一緒に摂りましょう。
加えてビタミンDは、日光を浴びて活性型となったものが腸管からのカルシウムの吸収を促進します。
適度に日光を浴びること、カルシウムとビタミンDをおおよそ2:1の割合で摂取することが勧められています。
■おすすめのブイクックレシピ
材料(1人分)
小松菜 1束
生椎茸 2個
切干大根 30g
もやし 30g
黒胡麻 少々
砂糖 大2
醤油 大1
油 大1
吸収率を下げる栄養素の組み合わせ
食事中に含まれる栄養素の吸収率を下げてしまうものもあり、これを反栄養素といいます。
・食物繊維
食物繊維は腸内での微量栄養素の吸収を妨げる可能性があります。
ヴィーガンの方は野菜や穀類をよく食べることも多く、食物繊維豊富な食事になりやすいので、貧血などの症状が出る場合は食事中の食物繊維を意識的に減らすようにしてみましょう。
・フィチン酸
玄米や種子類に含まれるフィチン酸には、金属と結合する(キレート)作用があります。そのため、鉄や亜鉛のような金属の吸収を低下させる可能性があります。
しかし、水に漬けてしっかり発芽させることで、フィチン酸を分解させることができます。玄米などを炊飯する場合は発芽させてから炊くようにしましょう。
まとめ
今回は、栄養素の吸収を促進する/抑制する組み合わせについて解説しました。
ヴィーガンやベジタリアンの生活をしていると、動物性食材の方が豊富に含まれているような栄養素があり、不安に感じることもあるのではないでしょうか。
どうしても補えない場合は、サプリメントなどの併用も視野に入れないといけませんが、極力食事から栄養素を摂れるように工夫する必要があります。
今回解説した栄養素同士の組み合わせは、今すぐでも実践できるものばかりなので、ぜひ試してみてください!
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